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キルビルvol.2を観る [映画レビュー※ネタバレ注意]

しぶき上等だぜコラァ!といわんばかりのアクションシーン、「ヤッヂマイナー」と爆走しテンポとスピード重視にて帳尻あわせはかっこわるいといわんばかりにすっぱり斬り捨てごめんなさいなストーリー展開、日本映画ならびに香港映画に対するオタク度偏愛度などなど世のいわゆる良識ない派の人々の度肝を抜いたキルビルvol.1。私もvol.1はかなり好きだったので(映画見る前にサントラ買ったぐらい)、このvol.2は非常に期待をして見た。見たのだった。

…ユマ・サーマン動き悪すぎ。志保美悦子のほうがナンボマシなことか。あれ程酷いとは思ってなかった。予測不可だった。なにしろ前作はまだユマの動きが刀の大振りやワイヤーアクションなどで誤魔化せていたけど、生身の動きがメインのカンフーシーンとなると運動神経ゼロの人がもったりと身体を動かす様子が達人(ゴードン・リュー)との対比でより鮮明に際だってしまうという図式なわけ。

ダリル・ハンナ扮する片目の凄腕殺し屋=ユマのライバル、エル・ドライバーとのアクションシーンなんぞ、アクションなんてもんじゃなくてキャットファイト。つまり女闘美。でもオイルでヌメヌメしてないからエロいわけでもないしな。最後の文字通りラスボスたるビルとの闘いだって実にあっさり。

どっかの映画評で‘壮大な痴話ゲンカ’ってあったけど、その通り。単なる痴話ゲンカがワールドワイドになっただけで。

とにかく最初から最後までタランティーノがひたすら「オレはB級アジア映画が大好きなんだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」と叫びまくる映画。では全く良いところナシのだめぽ映画かと思いきや、きちんと救いの神がいたりするもんだ。それはゴードン・リュー扮するパイ・メイ。伊武雅刀似なのもまたよし。

いちいち白髪髭を`フンッ`と手でなで上げる仕草といい、気の遠くなるくらい長生きした割には惨めな死に方といい。「おっさんいいところ総取りやで」とガラにもない関西弁を使いたくなるくらい。動きのキレが違うし。子供のゴッコと達人との差というか。この人がいなきゃ相当駄目な映画だったと思う。ダメ映画を面白がることを前提に本作が作られたにしろ、いくらなんでも直球でダメ。

タランティーノ台詞(全然関係ない話が伏線になってたりするアレ。今回はスーパーヒーロー、スーパーマンについて熱く語っていたのが該当)もいつもみたいにキレがあるわけでもなく、面白くもなかったし。そしてどうしても納得できなかったのが「子連れ狼」のオマージュで有りながら、娘がなぜ父親を殺されて幸せそうなの??大五郎はチャンが刺客を返り討ちにしても、それ自体が嬉しいわけではない。彼は殺すモノと殺されるモノという図式をある種の諦観の中で宿命と幼いながらも捉えており、その立場がまた容易に逆転することも、狩るモノと狩られるモノとが相対化される中でつまり認識せざるをえない、それが彼の無表情さを呼び、宿命の酷薄さを浮かび上がらせる効果を生んでると思うのだが。

そういうエモーショナルな部分を受け継がずに、カタチばかり整えるならもっと爆発してイキまくりでないと面白くない。vol.1はそこが溌剌としていたから面白かったのであって、つじつま合わせに終始しているようなvol.2はえらく腹おさめはいいが美味いわけではなく物足りない、そういう美味くも不味くもないラーメン屋みたいなもの。2時間以上は長すぎ。オナニー映画にもホドってもんがあるだろう。木戸銭とってるんだからさ、と歯がみしたくなった。

で、バキネタを少し。(興味ない人はとばしてください)

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バキ読者であると、いつパイ・メイが「これですか…打岩で御座いますよ…」と自らが叩き上げた黒曜石の打岩を取りだしたり、「7cm前のパンチなど我々は2000年前に通過したッッッッッッ」といって烈海王がユマ・サーマンに寸勁をおみまいしたり、バドがなにかの気配を感じて自分のトレーラーハウスの前で立ち止まるシーンにおいていきなり隕石が落下してきて「ITEッッ」と叫んで死んだりとか、ユマ・サーマンとダリル・ハンナが闘うシーンで汗涙鼻水小水をしぶきにして撒き散らしながら殴り合った挙げ句「い~~~い感じで…温まったァ…」「私もな…」などと呟いたりしないかとはらはらしてしまう次第でございます。(あと、いつ烈海王が「中国武術をバカにしたなッッ!?」と体中から武器を取り出して襲いかかるか楽しみにしたり、パイ・メイの必殺奥義「五点掌爆心拳」に`攻めの消力`を使うかとか。まあそういうネタがないと楽しめん映画でした。)

**

最後にみんなのシネマレビューにこんな批評があったので紹介いたしたく。見終わった後なぜかサミュエル・フラーの「ストリート・オブ・ノーリターン」を見たくなりましたとさ。

結論:バキの方が相当狂っていて面白いということ。

    次回は白林寺で打岩修行させること。


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