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伝説の珍作「ノストラダムスの大予言」見たりして。 [映画レビュー※ネタバレ注意]

知る人ぞ知る伝説の珍作「ノストラダムスの大予言」。私は以前ここで軽く触れた金本氏に「魅せて」頂いた経験が。ココログにUPしていたのですが、少々加筆し再UPします。

「ノストラダムスの大予言」
1974年東宝制作。
主演…丹波哲郎、由美かおる、黒沢年男、他豪華キャスト。
監督…舛田利雄、特撮…中野昭慶(ある意味黄金コンビだな…。)

制作費をどぶに捨てた、とか五島勉に騙された東宝“なかったことにして頂きたい”映画などと、「最低映画」の誉れ高い本作ですが(褒めているつもりなんだけどなあ)いやー、本当に酷かった。
この映画は、公開後しばらくして映画内容に対し被爆者の家族から「被爆者の差別を助長させる」といったクレームが付いて、いくつかの場面を削除し、なおかつテレビ放映した際もヤバイ箇所は更にさくっと削除されてましたな。
(具体的に言えば、志村喬出演、大臣発狂、新人類、ニューギニア人食い人種とか)
海外にて「カタストロフィー1999」と題してビデオ化され、、冒頭の武士姿タンバ、憲兵に詰問されるタンバなんかは削除されており、コンビナートが爆発する場面やその他いくつかの場面がなぜか裏焼きになっており、昼なのに夜の場面へと変わっていたりする。当然日本ではどのバージョンでもビデオ化されておらず。で、今回見た映像は、フィルム上部にタイマーカウンターみたいなのがあったので、マスターテープか編集前のヤツなのかしらん。金本氏がどうやって手に入れたのかは不明。しかしおかげさまでその、「ヤバイのでさくっと削除」されていた部分が全部見ることが出来た次第。
映画内容はひどい(スゴイでも可)の一言で終了といってもいいけれど、それではあまりにもアレなんで、かいつまんでさっくり説明。

物語は、丹波哲郎がサムライ姿ででてくるところから始まる。

丹波哲郎が自宅で他の武士達に「ノストラダムスによると、もうすぐ黒船が来るからすぐに開国しなければならん」とか言って、幕府の役人に踏み込まれ取り押さえられるシーンから始まる。
裏口から逃げる妻子。急ぐ妻の手から一冊の書が…。「百詩編集 ノストラダムス」でした。ががーん。時は流れて戦時中。憲兵室で尋問を受ける丹波。「貴様、日本が負けるといったそうだな!」「ノストラダムスに寄れば、弓形の中で金銀も溶ける光が輝く。」「弓形とは!?」「見てのとおり日本」「金銀も溶ける光とは!?」「おそらく新型爆弾」という言葉と共にキノコ雲がどーんと現れて、タイトルバック。いやー本編にいくまでにお腹いっぱいになりそう。ここで本編の登場ですよ。ようやく。

都内にある西山環境研究所所長・西山良玄(丹波哲郎)は日々悪化する環境をなんとかするため奔走していた。その傍ら先祖代々の業務であるノストラダムスの研究にも余念がない。一人娘のまり子(由美かおる)の恋人で報道カメラマンの中川(黒沢年男)が海外撮影旅行から帰国したその日、夢の島で巨大なナメクジが大量発生する。そして海は赤潮により海産物が死滅する。漁業組合の理事をしている中川の父は悲観し、入水自殺を図る。それを中川とまり子が力ずくで押しとどめ、その夜二人は初めて結ばれた。各地では異常現象が続いていた。奇形児出産率が30%を超え、生まれた子供は密かに処理をされていた。それを知った西山が病院長(志村喬…)に「優生思想じゃないか!選別をしているのか!?」とつめよるが「子供と親のため」と言われ力無く去るのだった。そしてものすごく速く歩く子供、異常なジャンプ力をもった子供などが現れる。新しいクル病が発生し、地下鉄には一夜にして巨大植物が生えた。

その頃世界各地でも異常現象が続いた。
ピラミッドには雪が舞い、太平洋(大西洋かも)では突如氷結し、アフリカで起こった大干ばつでは大量の餓死者が。政府は会議を開き、西山ら有識者に意見をこう。西山は「向こう30年、維持以外の工業生産はストップ。そして生活圏と生産圏は分離し、弱いもの、能力のないものは…」「ナチスのようだ!」といわれてもひるまない。「そんな理想論を言っている時ではない!」(なんかさっきは違うこと言ってたような…)応酬が続く中、開発大臣が発狂(自宅の木に登って「どんぐりころころ」を歌っていた。)した知らせが入る。一方ニューギニアには上層に堆積した原子の灰が降り、調査に向かった国連調査団が行方不明に。調査団に部下を送った西山はすぐ現地へ向かう。そこにあったのは、放射能により異常変化した植物、コウモリ、原住民に食われた人々の骨。サルのように丹波達に襲いかかる食人族を撃破し(空から降ってきたのにはワロタ)、奥地へ足を踏み入れると放射能の影響により、生ける屍となった調査団の姿が。西山は涙を流して彼らにとどめをさすのだった。同じ頃飛行中のSSTが突如爆発。オゾンを破壊したことにより、上空より超紫外線が降り注ぎ、焼け死ぬ人、山火事、コンビナートの爆発が引き起こされ、北極では氷山が溶け、東京には豪雨が降り、主要穀物生産国は、異常気象により壊滅状態になった。食糧不足から街はパニック状態になり、暴徒の群れは店を襲いはじめる。ついに政府は閣議を開き、完全配給制とすることに。その頃太陽は濃いスモッグに覆われ変色し、蜃気楼が浮かぶ。(下画像)

 津波、地震、火山爆発。逃げる人々の群れは高速道路に大渋滞を巻き起こし、やがて衝突から大火災、虚無的になった若者はまるでノストラダムスの予言に導かれるように(ナレーター岸田今日子)船で死出の旅にでるもの、バイクで断崖絶壁から飛び降りる者…。そんな中、まり子の妊娠が発覚。妊娠を告げるまり子に動揺する中川。悩むまり子に母(司葉子)は、自分の代わりの命を、と言い残し死ぬ。人類と明日を信じ、まり子は砂丘で踊りながら子供を産む決心をする。西山は国会で「このままいくと人類は核戦争を引き起こし、滅亡する」と核戦争後に蠢く新人類の姿を提示しながら必死で訴える。総理大臣(山村聰)は国民へ人間賛歌の大演説をぶち、新しい明日を誓う。

これで終了。全然小さくまとまってないっすね。すんません。

確かに伝説の映画にふさわしく、つっこみどころ満載というよりも、突っ込みどころだけで成立している映画 と言えますな。とにかく失笑と当惑の連続。(人生最大の嫌なことが連続しておきて、こりゃやけ酒飲むしかないって日に見るといいかも。まあ間違いなくビルから飛び降りたくなりますが。)

だいたい丹波センセイ自体、冒頭からときどき明後日の方向を見ていたりして、あちこちにカンペ貼ってるのがバレバレ。(セリフ入らないことで有名だそうですから。←噂真)その他共演者・浜村純の、演技の大袈裟ぶりが無声映画時代を思わせたり、奇形児を死産と称し処理している病院長に志村喬といった豚に真珠並の愉快な部分がありながらも、全体のテイストとしては、徹頭徹尾イヤーな空気満載の、後味悪い、非常に嫌な気持ちになる映画。司葉子とか由美かおるとか、なかったことにしたい出演者は多々だろうなあ。(東宝もそうだろうけど。)黒沢年男なんかはかえってネタにしそうだけれど。

見所というか喧嘩の売られどころというか、そんなのをざっとあげると、最初、寄付で成立しているような一介の私設研究所(政府から給付金交付されている様子はナシ。公害を追求していた町工場から圧力かけられたりする。)所長みたいだった丹波が、中盤から政府の会議に参加するわ、国連の会議には参加するわ、国連調査団として赴任するわ(しかも「私いきます」って環境大臣かなんかに言うだけでOK。)国会に乱入するわ、とにかくどんどんとこっちの景気までよくなるくらい大出世を遂げます。あと、物語が進行していくにつれ、加速度的に不条理(速く走る子供の奇形?とか)が増えていったりして、脚本なんてその場の思いつきで書いたんじゃネーノ?と思えるくらい。タンバタンバタンバ。怒濤の丹波責め続きで半分ぐらい過ぎてくると細かい設定はどうでもよくなります。「あー、タンバだから」なんつって納得している自分を発見して切なくなったりします。嗚呼人生に涙あり。

爆破シーンは中野昭慶センセなので、火薬たっぷり。いくらなんでもあんなに失火しねえだろっていうぐらい爆発します。高速道路で爆発するシーンでは、ビルの上まで炎が上がっているし。どかんどかんどかんどかんと、見ているこっちが気ン持ちイィーー(独歩風に。バキネタでスミマセン)と思えるくらい。まさにカタストロフィー1999てな具合です。武士に二言ナシ。
でも同じシーンが使いまわされて何度もでてきたり(コンビナート爆発)、核ミサイルの発射シーンなんて世界大戦争からの流用だったり。科学考証なんてないっす。だってオゾン層が破壊されたからって、じゅーって音がしながら人が焦げたりしないでしょ?皮膚癌が増える程度じゃねえの?紫外線で山火事が起こるって初めて知りました。まさに私の知らない世界。
また要所要所で流れる岸田今日子の無表情なナレーターがトラウマ必須っていうぐらい鬱です。実は私、テレビ版みた記憶があるんですけど、覚えているのが岸田今日子の「もう二度と乙女が輝くことはない…」というナレーションをバックにバイクが海へつぎつぎとダイブするシーンと、最後の山村聰扮する総理大臣が田植えの絵面をバックに「今こそ!人間賛歌の…云々」といってるシーンだけ。きっと幼いながらも防衛本能が働いて不要なシーンを自動カットしていたんでしょうな。
で、物語は、中盤を過ぎて由美かおるの謎の“砂丘ダンスシーン”あたりから(このあたりから由美かおると黒沢年男のシーンだけ、他の悲壮感丸出しの場面から浮遊し、“ダイヤモンドは永遠の輝き”みたいな展開を見せる。)二連ちゃん徹夜明けナチュラルハイみたいな変な高揚感がコチラの脳内にあふれ出します。丹波が演説するシーンで流れる、子泣き爺がH.R.ギーガーによってクリーチャー化されたような新人類。核戦争後の焦土。なにもない砂漠のようなところでミミズを争いのたうち回る地獄絵図が展開される。いや今までも地獄絵図だったんだけど。これでトドメさされた感じ。とにかくイヤーな気分に加速度ついたところで、それと同時に無意味な高揚感も強くなってくる。アシッドフィルムみたい。最後の山村聰演説を聞いているとなぜか「よーし明日は路ですれ違った人間、片っ端からコンクリートにキスさせてやるぜ!!!!!!!!!!!」と無駄に多幸感とアドレナリンが沸騰してイイ感じで終わります。まあ見終わって三分経つとどん底ですが。

ちなみにこの映画、「文部省推薦」作品でした。

どうでもいいですけど1999年、過ぎちゃいましたね…。


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コメント 7

たくぼん

ある意味ドラゴンヘッドと考えていいのかしら。
by たくぼん (2005-08-27 23:35) 

瑠璃子

どっちかっていうと北京原人系列かも…w
by 瑠璃子 (2005-08-27 23:49) 

へー八郎

文部省推薦やったとは存じませんでした。
確かにこの映画、一時期話題になりましたよねえ(笑)
by へー八郎 (2005-08-28 01:05) 

瑠璃子

話題になり申した。なんつーかオッペケペー映画の金字塔っすね…。
by 瑠璃子 (2005-08-28 04:21) 

くまぞお

ノストラダムスブログのレビューかと思ったよ
  ∧_∧
 (; ・∀・) ドキドキ
 ( ∪ ∪
 と__)__)
by くまぞお (2005-08-28 05:14) 

瑠璃子

>くマゾ氏
テカリながらは待ってないのねw
まあノストラダムスブログをレビューする程メジャーなブログじゃないっすからね、うちはw
by 瑠璃子 (2005-08-28 15:21) 

だるま親父

中学生当時、映画館で見たけど。
確かに内容がハチャメチャで、特撮も悲しいくらい酷い映画でしたね。
でもしっかりパンフレット買って持ってて、クロサワトシオからパンフにサインして貰った。
by だるま親父 (2017-01-09 12:09) 

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