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オペレッタ狸御殿は清順翁全開映画(よい子のみんなは真似しないでネ☆) [映画レビュー※ネタバレ注意]

オペレッタ狸御殿

オペレッタ狸御殿

  • 作者: 浦沢 義雄
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2005/05/31
  • メディア: 文庫
←文庫まであるのかよ…。
オペレッタ狸御殿 オリジナル・サウンドトラック

オペレッタ狸御殿 オリジナル・サウンドトラック

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: ポプラト
  • 発売日: 2005/05/11
  • メディア: CD

ウグイス嬢をやった後にオペレッタ狸御殿をみました。(withビビッチェル)

まるで、ぎとぎとのとんこつラーメンを食った後に肉汁したたり照り輝くステーキ(レア)を食べるようなものですね。脂っこさもたまには必要。続けてやると死にますけど。

で、オペレッタ狸御殿。以前にもコメント欄で少々触れましたが、初春狸御殿をチラ見して衝撃を受けた思い出があり、おそらくアレに清順風味となると衝撃倍増、倍でドンさらに倍って感じですな。戦々恐々としながら見に行きました。

新宿ピカデリーはドルビーサラウンドでよかったですよ。人は少ないどころの話じゃないので静かで快適。ちなみに私が座った列は、われわれのほかは2人(端から端を見渡して)。その2人とも上映中に帰りました。私はあまりの凄さに腰が抜けて席が立てませんでした。ナンチテ。あと帰らなかった人は寝てたんじゃないかな。い~いカンジでいびきが聞こえたりしていたし。(後ろの席ではなにやらアヤシゲな行為が行われていた様子。あの映画みながらヤレるってすごいなあ。若いって素晴らしい)
 ←この瞬間、世界は激震した。

だいたい映画が始まって割とすぐ、平幹二朗が小姓抱き上げて「ぐろーりあ!!」っていう時点でもう全てが決まっていたというか。この時点ではまだ笑い声をあげる余力が残っていた観客も、そのあと山本太郎が「すっとこ、どっこい」といいながらやっこポーズをとってももう失笑する気力すらなかったようです。最後まで生き残るのは誰か!って熱くなるもんじゃないんすけど。

お話の内容は唐の国からきた狸姫(チャン・ツィイー)と雨千代(オダギリジョー)の恋物語。あんまり意味ないんで詳細を語る必要はないかと。生き返ったり死んだりもう大変な騒ぎです(テキトウ)。これを縦軸に世界一の美貌をもって任ずる殿様:安土桃山(平幹二朗大怪演)が息子雨千代の美に負けるを恐れ、帰るものがいないといわれる霊峰快楽須山へ追放したり(ちなみにその前追放されたのは母親。デジタル合成された美空ひばり)といったオイディプス的盛り上がりが追加された上、安土桃山の腹心で雨千代を亡き者とせんとはかるびるぜん婆を由紀さおりが嬉々として演じてたり、いかにも狸っぽい顔をした薬師丸ひろ子が狸姫の乳母に扮していたりといった脇役の「個性的な」演技が横軸として交差します。まさに人間交差点ですね。そんなことはアレとして、とにかく、薬師丸ひろ子の美声とか、由紀さおりと平幹二朗のラップを聞いたりしているうちに、脳内アシッドがあふれアドレナリン全開になります。CGもまたい~いカンジでトリップさせてくれます。木村威夫(通称キムタケ)美術がふるすろっとるで爆発!尾形光琳の図柄ってやっぱりキテたのねとかその辺を思いつつ、由紀さおりが“死ぬのは悔しいけどーまた生まれ変わってー100年生きてやるー”とナウシカのラストみたく触手に包まれながら拳突き上げ歌うシーンでまるでレーニンの革命演説なみに興奮し思わずうぉーとかいいそうになりました。嘘ですけど。(しかし音楽は素晴らしかったな。サントラは買いです。)まあ内容なんてないようってわけで、だいたい清順映画に整合性とか理論とか内容とかを求めちゃいけません。意味不明な場面が連発されても「考えるな!心で理解しろ」(byブルース・リー)ということです。目の前にある事象がすべて。そう考えると実存主義の具現化ですね。違う気がしますけど。

とにかくいろんな物語が展開して、うっかり八兵衛ってこんなに歌うまいのね、さすがスリーファンキーズとか思いつつチャン・ツィイーのおみ足の美事さに見ほれ、オダギリジョーって顔小さいわねと思っているうちに極楽蛙があり得ない声で「ケロリーン」と鳴いて、薬師丸ひろ子が腹をぽんぽん叩きまくったかと思いきや筋斗雲にのってうりゃーっと駆けつけるチャンになり、あれ美空センセイが「ねぇぇんぴぃ~かぁんのぉんりぃいいきぃいい~」と歌いだし、愛こそ全てとかまあその手のジョン・レノン発想でソーダ水の雨が降ったりして無問題ということです。なにがなにやらわかりませんが、つまりそういうことなんです。


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コメント 25

ken

「このやろー、誰が鈴木の爺さんにキャメラ渡したんだ!」
ってことで良いんでしょうか?
チャン・ツィイーのキャリアからこのタイトルは消えるはず、と
どなたかが仰ってました(笑)
by ken (2005-06-07 13:32) 

瑠璃子

総合的に言えばいい映画なんじゃないかな。私なんてサントラ買ったぐらいだし。CGもいいし。なんつーか、そういういい悪いといった評価を超えたところに嫣然と微笑むのがこの作品じゃないかなと。とにかくいろんな意味ですごかったです。
個人的にはチャンじゃなくて仲間由紀恵じゃダメだったのかなあと。唐と琉球なんて清順映画の中ではそんなに差はない気がする。
nice!ありがとうです~
by 瑠璃子 (2005-06-07 13:59) 

素晴らしいです~。この日記を読んだだけで、もう観た気分になっちゃいました。チャン・ツィイー大好きな私なんですが、何故出演を決めたのかが謎です。やはりこの映画に出た事は、彼女の経歴から抹殺される事間違いないと、個人的には思ってますが…。何も「サユリ」の前にこの映画でなくても…と思ったのは、私だけでしょうか。。。
by (2005-06-07 15:58) 

瑠璃子

>向井氏
ありがとう!しかし見なきゃだめですぜw 面白そうと思ったなら、だけど。なにせこの分の数億倍はイカシタ映画ですからな。この映画を経歴から抹消しないでほしいなあ…。
by 瑠璃子 (2005-06-07 23:13) 

たくぼん

こないだはお疲れさま。こちらもサントラ買おうか迷っていたところ。ある意味人間性を試すリトマス試験紙的な映画なのかもね。
少なくとも私とD嬢とあなたは同一グループの恐れあり。さっさと金貯めて日本放棄の準備はしておきましょう。
by たくぼん (2005-06-07 23:21) 

瑠璃子

>総帥
この間はすみませんでしたです。
そうっすねえやつぱり…。この映画に対する“正しい”態度とはやはり気にしないでアヤシゲな行為をするか、もしくは帰るか寝るかなのかもw サントラは買いました。amazonは仕事早い…。
金貯めて脱出…となるかやはり( TДT)
by 瑠璃子 (2005-06-08 00:50) 

こじーま

忘れてた、このまえ「ピストルオペラ」DVDを借りてきたものの、途中で放り出してしまったのだった。バーバレラ(オープニングは最高なのに)並にしんどかった。
狸はどうなのでしょう。そんなわたしでも大丈夫でしょうか。
by こじーま (2005-06-08 01:44) 

瑠璃子

ごめんなさい、私、バーバレラも好きなの…だからこじーま氏向けではないかもしれませぬ。しかしこじーま氏のミュージカル魂にかけて見るべきやもしれませぬ。明日辺りアマゾンからこのサントラが届くよ。うう。
2ちゃんのスレッドみていたら、毎日通っているっていう人もいたなあ。ちょっとファントムのノリを思い出しちった。こじーま氏はファントム・オブ・パラダイスはみたことない?
by 瑠璃子 (2005-06-08 10:16) 

瑠璃子

nice!くれた方、ありがとう~
by 瑠璃子 (2005-06-08 11:22) 

ピカチュウ

ホント、色んな意味で凄かった。
破天荒なストーリー、平幹二朗大の怪演、何故出演したのか不明のチャン・ツィイー、必然性の希薄な美空ひばりinデジタル、そして薬師丸ひろ子の素っ頓狂な歌声と大根芝居。。。
私も開始早々、「ダメだ。。。」と感じ意識的に寝ようと思ったのですが、寝れなかった。。。
「北京原人」「シベ超」に匹敵する、謎作として語り継がれるでしょう。
by ピカチュウ (2005-06-08 12:44) 

瑠璃子

個人的には、ある意味傑作と思ってますよ。アレは。ベクトルが違うだけかもしれないけど。北京原人とかデビルマソ(あれがデビルマンといいたくもない)系の剛速球でダメという類とは違う。カルトなのはもうけつていなんですけどね。アレを「アリ」とする人々の気持ちもわからなくもない。ファントム・オブ・パラダイスを見た感じにちょっと似てますね。
この映画って良いか悪いかの二元論じゃなくて、好きか嫌いかの感情論で語るべき映画じゃないかなあと。生理的にダメな人はダメでしょうねきっと。ご愁傷さまでした。ご同情いたしまする…。
by 瑠璃子 (2005-06-08 13:14) 

トラバありがとうございました!

この映画期待せずに見に行ったら楽しめるのかな??
結構批判記事を見るので見ようかめちゃくちゃ悩みます・・・・

あたしもトラバさせてもらいますね(*^。^*)
by トラバありがとうございました! (2005-06-08 15:52) 

katoler

TBありがとうございました。
先週の土曜日、2回目を見に行きました。2回見るとさらに謎は深まりますね。
物事を筋道建てて考える人には、健康に良くない映画かもしれません。
齢を重ねて、「鈴木清順」といえば世界中の映画人からリスペクトされる存在でありながら、ここまでハチャメチャなものを創るというのは、恐ろしいことです。
ブログをチェックしていくと、見るべきかどうか迷っているという人が結構いるようですが、はっきりいいましょう!見なきゃだめです。
世界はまだまだ謎に満ちていて、何でもアリなんだということを学ぶはずです。
瑠璃子さんの後ろの座席で、せっせと営んでいたカップルの行動も、鈴木清順がまき散らしたナンデモアリネ菌に感染していたと思えば、理解できるかも。
by katoler (2005-06-08 20:24) 

こじーま

ハチャメチャが嫌いか、だめかというと、ぜーんぜんそんなことはなくて、たとえば「007カジノロワイヤル」は、もうDVDがバターになるくらい見ました。
あと、「マッシュ」とか、モンティパイソンとか。テリーギリアムも、ジョンクリーズも大好き。
ああ、でもそうじゃないんですよね。あれはシェーマをずらすための、狙いのある「ずれ」ですからね。緻密にずらしてますよね。
うーん・・・フレッドアステアのダンスはぽけっと見ていてもアニメのように自然に美しいし(ちなみにワンショットごとに50回くらい練習してたらしいですけど)。
あっあと林海象の映画、ジパングとかもしんどかったねぇ。すばらしいカットもいっぱいあったけど。
「乗る」のも嫌いじゃないんです。おなじ林監督の濱マイクシリーズは、わざわざ横浜日劇に見に行ったクチだし。
「ファントム」はブログに掲載なさってた映画ですね。トライしてみます。
by こじーま (2005-06-09 00:53) 

瑠璃子

>イチゴさま
はじめまして。ようこそお越しくださいました。
TBありがとうございます。すみませんいきなり。
個人的には迷われているかたにオススメしたいのがレディースデーなんかで安くこの映画をみることです。とりあえず見てみるというか。気に入ったらサントラなんかを買ってみるといいと思います。清順映画を楽しめる人ならこの映画はおそらく大丈夫だと思います。まあとにかくお試しということで…。意味を考えないのがコツかと。

>katoler さま
ようこそお越しくださいました。TB、コメントありがとうございます。アレはねえ、ホント凄いですよ。黒澤明の晩年とはまた違った意味でめちゃくちゃです。枯れるとか老成といった言葉とは無縁なんだなあ。そういう老後ってステキ。ジジイにはもうひと踏ん張りしてほしいな。あと一作は…。

>こじーま氏
こじーま氏ってどっちかというとソフィスティケートされたというかイギリス流ミュージカル映画というか、そういうのがお好きなような気がします。林海象はワタシもダメ。誰かが「アイデア100点出来赤点」と称していたけど、まさにそんな感じ。
この映画はとにかく好き嫌いがわかれるので、映画の質がどうこうよりも、生理的嫌悪がでるかでないかというか、最初の「ぐろーりあ!」のところで肯定の爆笑が出来るかどうかで決まる気がしますよ。
ファントム見たら感想教えてくださいませー。あれはロックミュージカルですたい。
by 瑠璃子 (2005-06-09 10:20) 

urax

結局見に行っちゃいました。
最後の一押しがこのエントリーだったかな、ということでTB感謝です。
by urax (2005-06-09 22:26) 

iheimac

はじめまして。マック綺希です。拙記事へTBありがとうございましたm(_ _)m

この映画の第一印象は「本当にオダギリジョーの顔は小さい」でした。
と言いますのは、冗談としまして(いきなり失礼いたしました;;;)。
平幹二朗と由紀さおりが、あの衣装とメイクで現れた瞬間、頭で考えるのは、
止めました。

> 「考えるな!心で理解しろ」(byブルース・リー)

正に、この言葉の通りですね。結論、私には楽しい映画でした。
そして瑠璃子さまの記事、引き込まれるように拝読させていただきましたm(_ _)m

最後になりましたが、TBさせてくださいまし。よろしくお願いいたします。
by iheimac (2005-06-10 10:35) 

瑠璃子

>uraxさま
レスが遅れまして大変失礼しました。
どうだったでしょうか。感想をいただければ嬉しいです。
あうあわないはあるでしょうが、狸たちと気持ちよくなれたのなら幸いです。
お役に立てたのだろうか…。イマイチ自信がないのですが。

>マック綺希さま
こちらこそはじめましてこんにちは。
まず当方が大いに誤解していた点をお詫びしたいと存じます。実はですね、マック綺希さまのところへコメントしたと思っていたのですが、ふと見るとなかったので、ああこれは…とてっきり削除されたものだとばかり思ってました。よく考えればエラー連発の頃だったので、そのせいだったのかもしれません。ご挨拶が遅れて大変申し訳ありませんでした。平にご容赦。

とにかくあの「ぐろーりあ!」の時点でなにか考えたら負けだと思いました。ぼーっと画面をみて、歌をきいてとかそういうので好きになった人はイイだろうな、という作品ですよね。好きか嫌いか。普通はいいかわるいかで考えるんですけど、これはそういうところをこえたところで超然としてる映画ですね。
nice!とTBありがとうございました。今後ともよろしくお願いしますー
by 瑠璃子 (2005-06-10 15:15) 

鈴木妄想

TB返しどうもです 映画の美味しいところが簡潔にまとめられていて良かったです
なによりも後ろの若人が素晴らしい デートムービーとして一番望ましい鑑賞態度なのかもしれません

他の記事も読ませていただきますね
by 鈴木妄想 (2005-06-14 00:29) 

瑠璃子

>鈴木妄想さま
レスが遅れて申し訳ありませんでした。TBありがとうございます。
とにかく後ろの若いヤツのアレな物音を吹き飛ばす見事な歌の数々。素晴らしかった。まあとにかく周囲の目を気にしてちゃダメってことですね何でも。
またいらしてください。お待ちしておりますー。
by 瑠璃子 (2005-06-16 13:01) 

urax

感想書きました。少しですが。
http://www.uraxima.com/notes/20050609b.html
by urax (2005-06-17 23:24) 

ahaha

こんばんは。
TB有難うございました! 私、この記事、拝見しておりました。
どうしてなのか、昨日のことなのに、思い出せません_| ̄|○ もう、ぼけぼけです。
それはともかく、私がこの映画にめちゃ興奮したのはブルースリーのお言葉に添っていたからなんだ、とやっとわかった次第です(^^v
こちらからもトラバさせてください。
by ahaha (2005-07-26 23:46) 

南郷力丸

 今頃になって見るとは不覚。
 猿之助病気につき、若いもんだけじゃ持たないのか、嫁さんと藤山直美を動員して狸御殿をやってるみたいだけど、こんなバカなの見たら、もう見たくない。。。。こっち見てなくても行く気ないが。
by 南郷力丸 (2005-12-29 00:26) 

瑠璃子

嫁さんって聞くと鈴木京香みたいな若奥様を連想しちゃうこの不思議さ。
by 瑠璃子 (2005-12-29 00:40) 

日本インターネット映画大賞

突然で申しわけありません。現在2005年の映画ベストテンを選ぶ企画「日本インターネット映画大賞」を開催中です。投票に御参加いただくようよろしくお願いいたします。なお、日本インターネット映画大賞のURLはhttp://forum.nifty.com/fjmovie/nma/です。
by 日本インターネット映画大賞 (2005-12-29 11:03) 

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